前回からお伝えしている"健康をホリスティックに考える"シリーズ。
このシリーズでは様々な不調の原因やそれを改善する方法、またどのようにボディ・マインド・スピリットのバランスを取りながら、無理なくビューティ&ヘルスをメンテナンスしていくとよいのかについて、簡単に説明していく予定です。
人生をヘルシーに楽しく生きていく上での、ひとつの参考になれば幸いです。
前回の記事
健康をホリスティックに考えるVol.1 ~皮脳同根&腸脳相関~
今回は前回お話した腸内環境、脳、皮膚、ストレスと関係の深い"副腎"についてお話ししていきます。
副腎とは?
副腎とは小さな三角形をした臓器で、左右の腎臓の上にそれぞれ一つずつあります。体の恒常性(ホメオスタシス)を保つための重要なホルモンを分泌する器官です。(下記図参照:Adrenal glandが副腎、Kidneyが腎臓)
あなたの副腎、疲れているかも?
副腎からは私たちの心身を健康に保つため、様々なホルモンが分泌されています。しかし肉体的・精神的なストレスによって、副腎が疲労状態になると以下のような症状が現れると言われています。
- 朝がつらくて起きられない。
- 睡眠時間は充分なのに熟睡できず寝起きから疲れている
- 疲れがとれない。エネルギー不足な感じで、いつもだるい。
- 日常的な生活をこなすだけでドッと疲労する
- 風邪をひきやすく治りづらい。傷の治りも悪い。
- 慢性的なアレルギーや花粉症がある。
- 慢性の便秘・下痢などおなかの調子が悪い。
- 集中力がなく、頭がボーッする。
- 物忘れが多く、記憶があいまい。
- 気持ちが落ち込みやすく、うつっぽい感じ。
- 些細なことでもイライラしたり、我慢できず急にキレてしまう。
- 甘い物、塩辛い物が食べたくなる。
- 甘いものを食べると元気になるが、その後だるくなる。
- コーヒー・紅茶・エナジードリンクなどのカフェインが入った飲み物やチョコレートを口にしないとやる気が出ない。
- 夕食後になると少しづつ元気になってくる。
- 性への興味が低下している。性欲がない。
- PMS(月経前症候群)が重い。
以上が、副腎が疲れている時のサインです。一つでも当てはまれば副腎はお疲れモード、該当数が多ければ多いほど、その疲労度は深刻だと言われています。
これらは『副腎疲労(アドレナルファティーグ)』と呼ばれていて、うつや自律神経失調症、なかなか取れない身体の疲れ、アレルギーやPMSなどが重いという症状は『単なる副腎の疲労』だった、ということも少なくないのです。(それに伴う栄養失調や肝機能も一因ではあるのですが、この話はまた別でしたいと思います。)
疲労・うつと副腎・コルチゾールの関係
副腎は様々なホルモンを分泌していますが、その中でも代表的なものがコルチゾールと呼ばれるステロイドホルモン。抗ストレスホルモンとも呼ばれていて、その名の通り私たちがストレスを感じた時に分泌されます。
ストレスの強さに応じて分泌されるコルチゾールの量は変化しますが、長い間強いストレスに晒されることによってコルチゾールは分泌過剰となり、交感神経を刺激・覚醒し続け、自律神経系は常に緊張状態優位に=脳や体はいつも『ファイティングモード』に。
こうなってしまうと私たちは心身の切り替えが上手くできず、常に緊張状態でイライラ、うつっぽく気分が晴れない、疲労、不眠、頭痛、肩こりといった症状を感じ始めます。
さらに常時働きっぱなしになった副腎はやがて疲れ果て、必要な時に上手くコルチゾールを分泌させることが困難な状態に。結果としてストレスに対応する力が無くなり、心身の疲労は蓄積する一方という悪循環になってしまうのです。
アレルギーと副腎・コルチゾールの関係
その他コルチゾールには抗炎症作用や免疫抑制作用があります。
そのため体内に炎症があるとその炎症を食い止めようと副腎はコルチゾールを分泌させるのですが、アトピーやアレルギーの症状が長引くとコルチゾールは分泌過剰となります。
さらにリーキーガットのように腸内環境が乱れた状態であるとアレルギーの炎症は慢性化、副腎は常にコルチゾールを分泌し続けます。結果副腎は疲弊して上手く機能しなくなるため、炎症を抑えることが難しくなり、慢性鼻炎やアトピー・アレルギーがさらに悪化してしまうのです。
そしてまたこれも重症化すれば、副腎性疲労:アドレナルファティーグの状態となります。
へーーーーーっくしょん
肥満・糖尿病と副腎・コルチゾールの関係
他にもコルチゾールは血糖値を上げるホルモンでもあるので、コルチゾールが分泌されるほど血糖値のコントロールは難しくなります。
血糖値が激しく乱高下すると自律神経も同じように乱高下するため、先に述べたようなメンタルヘルスの不調とともに、肥満や糖尿病になるリスクもぐっと上がります。
さらにストレスによってコルチゾールやアドレナリンが分泌されることで、過食や砂糖中毒を引き起こしやすくなるため、ここからも肥満や糖尿病への悪循環が始まるのです。
腸内環境と副腎の関係
健康をホリスティックに考えるVol.1 ~皮脳同根&腸脳相関~でも触れたように、『腸内環境の乱れ』は様々な心身の不調の原因となっています。この腸内環境と副腎は密接に関わっていて、腸内環境を整えることで副腎の疲労も回復すると言われています。
腸は消化器官でもあり栄養素の吸収も行います。腸内環境の乱れは栄養吸収を阻害することにもなり、それ自体も心身の不調を生み出します。また副腎も十分な睡眠や栄養がなければ適切に働けません。よってまた不調を生み出すことに。
そのため心身の不調を改善し、健康に生きていくためには『腸内環境』と『副腎』を同時にケアしてあげることが大切です。
反対に言えばいくらどんな薬を使っても、腸内環境と副腎が整わなければ本当の意味での健康を得ることは難しいと言えます。
まとめ
・副腎は心身を健康に保つための要となる臓器
・副腎疲労はさまざまな不調をもたらす
・腸内環境と副腎は密接に繋がっているため、どちらもケアする必要がある
今回は『副腎』についてのお話でした。
個人的な話になりますが、私は東洋医学で言うところの『腎(水)』が弱りやすい体質のため、副腎の機能も弱りやすく、気をつけていないとすぐに疲れてしまう体質です。東洋医学の『腎』は生命の源や若さの象徴でもあり、ここが弱ると精気がなくなり、老化すると言われています。
副腎疲労はまさに精気がなくなる、といった感じになるんですよね。(経験済み)そして『腎』は一度弱ってしまうと回復はすれど、完全に元通りにはならないとされているので、大切な『精気』を使い果たしてしまわぬよう丁寧にマネジメントしていくことがとても重要です。
次回は腸内環境を乱し、副腎疲労を引き起こす原因について少し掘り下げていきたいと思います。
Thaks for taking time to read 🙂
Aimee
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